「高専はなぜ地方に多いの?」と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
高専は国立・公立・私立をすべて含めて、現在全国に58校あります。
その多くが都市部ではなく地方、
中でも県庁所在地ではない第二、第三の市町村に設置されているのをご存じでしょうか。
なぜ高専が地方に多いのか、そこにはちゃんと理由があります。
今回は地方に高専が多い理由について説明します。
- 高専が設立された目的
- 地域のおける高専の役割
- まとめ
高専が設立された目的
高専が設立された目的は、地方の人材を発掘&育てるためでした。
最初に高専が設立された1962年は高度経済成長期の中で、
急速に拡大する産業に労働力が追いつかず、各地で人材不足が叫ばれていました。
特に地方の人材不足は深刻で、即戦力となるエンジニアを育てるために、
高い専門技術を教える高専が設立されたそうです。
その需要は年々拡大し、現在では42都道府県に高専が設置されています。
月日が流れても設立当時の理念は引き続きつつ、現在の高専の在り方はさらに幅を広げつつあります。
地域における高専の役割
現在の高専が果たす役割は多岐に渡りますが、
地方発展や地方創生に関わることも大切な理念のひとつです。
具体的には、
- その地域ならではの課題を見つけ、技術で解決していくこと。
- その地域ならではの利点を見つけ、新たな技術を生み出していくこと。
例を挙げると、
辺境地の物流問題を技術で解決したり、農業や病院施設の人手不足を技術で解決したり……
高専生の中には、地方の企業に就職し、
高い技術と豊かなアイディアで、新たな技術を生み出している卒業生もいます。
いずれも都市部での生活では見えてこないものであり、
その土地に住み風土や人を肌で感じるからこそ実現できるもの。
地元に愛着があるからこそ、生まれてくるアイディアもあるでしょう。
また、小規模な地方都市には大学が無い地域も多く、
専門性を極めた人材が高専に集中していることも珍しくありません。
そんな地元高専に期待する企業も、年々増えているとのことです。
まとめ
今回は高専設立の目的と地方に多い理由についてみてきました。
地方の人材不足解消のために設立された高専ですが、
現在は地方創生の担い手として、地元企業と連携しながら地域課題の解決に向けた取組も増えています。
「地方あってこその高専であり、高専あってこその地方」
そんな持ちつ持たれつの関係が、今後も継続・発展していくことを願っています。