高専colorでは、ものづくり企業に就職しようと考えている方に向けて、
ものづくり関連の職種を紹介していきます。
第四弾は「研磨工」について解説していきます。
- 研磨工とは?
- 研磨工の仕事内容
- 研磨工を目指すには
- まとめ
研磨工とは?
研磨を専門に行う人を研磨工と呼びます。
研磨とは、製品の表面を削って滑らかにする作業のことです。
製品の仕上げや品質の向上に重要な役割を果たしています。
車のボディや家具、ステンレス製品など、身の回りにある様々な製品で用いられています。
また、「研磨」と聞いて、金属製品が思い浮ぶ人も多いと思いますが、
金属製品以外にもプラスチック製品やガラス製品などでも行われます。
研磨工の仕事内容
研磨とは、大きく「研削」と「琢磨」の2つ作業工程に分かれていて、
この2つの名前を合わせて「研磨」と呼びます。
「研削」とは、製品を削って凹凸のない滑らかな状態にする作業で、
「琢磨」とは、研削した製品の表面を磨いてツヤを出す作業をいいます。
これらの作業は、両方とも行う場合もあれば、一方のみを行う場合もあります。
また、研磨は加工する素材や仕上げ具合によって、
さまざまな加工方法があるので、奥が深い世界です。
ここでは、主な加工方法を5つ紹介します。
(1)砥石研磨:
砥石を高速回転させて表面を磨く方法です。
刃として働く砥粒が加工物を削りながら、入れ替わるため継続して研削を行えます。
(2)ラッピング研磨:
ラップ盤(円盤状の台)の上に加工物を上下から挟み、上から押しながら、
ラップ剤(砥粒に潤滑油を混ぜたもの)と加工物を擦り合わせる方法です。
鏡面のような仕上がりになります。
(3)バフ研磨:
フェルトのような柔らかい素材できた「バフ」に研磨剤をつけて、
回転させて、表面を磨きます。
つや出しや鏡面仕上げに使われます。
(4)バレル研磨:
たる状の容器にコンパウンドという研磨剤、加工物、水などを入れて、
容器を回転させて研磨する方法です。
一度に大量に加工できるため、バリ取りに用いられることが多いです。
(5)電解研磨:
加工物を電解液に浸して、電流を流し(電気分解)、表面を溶かして滑らかにします。
唯一、砥粒を使わない方法で、より精度の高い表面に仕上げることができます。
その一方で、「ステンレスやアルミなどの一部の金属にしか使用できない」や
「コストが高い」といったデメリットもあります。
研磨工を目指すには
研磨工は未経験でも働ける場合があり、特別なスキルや資格を問われることは少ないです。
研磨の作業自体に資格は必要ありませんが、
例えば、研磨の実務経験をもつ人が受験できる
「切削工具研削技能士」という資格があります。
この資格は、研磨技術の高度な習得や、安全な作業の実施能力を証明することができます。
また、「研削といし取替試運転作業者」という資格もあります。
この資格を取得することで、研磨に使用する砥石の交換や、交換時の試運転などができます。
研磨工は手先を使った細かい作業を行う場面が多いので、
細かい作業が好きな方やこだわりが強くある方、職人気質な方におすすめです。
まとめ
今回は、研磨工の仕事内容や目指す方法について解説してきました。
近年、高品質な製品の需要が高まっている中で、
研磨は製品の外観や品質向上を目指す上で重要な役割を果たしており、
今後も必要とされている職業です。また、最後の仕上げ作業をすることが多いので、
製品の美しさを作り出す楽しさを味わうことができるのも魅力の一つです。
ぜひ、ものを磨くことに興味のある方は、将来の一つの選択肢として考えてみてください。