今回紹介する競技は、次世代エネルギー競技「Ene-1」です!
- Ene-1(エネワン)とは
- 大会について
- Ene-1の特徴
- まとめ
Ene-1(エネワン)とは
Ene-1(エネワン)とは、電気自動車や電動自転車を用いて、
各大会で決められたレーシングコースを完走することを目標にした競技のことです。
大会は「鈴鹿サーキット」や「モビリティリゾートもてぎ」といった、
F1レースのような国際的なレースイベントでも使用される有名なモータースポーツコースで開催されます。
競技に使用する車両は、充電式単三電池40本をエネルギー源とすることが決められていて、
自分たちで設計から製作まで行います。
そのため、機械工学や電気工学など幅広い知識が必要になってきます。
大会について
大会の形式
大会は2か所の会場で1回ずつ、例年7月と10月の年に2回行われます。
7月は鈴鹿サーキットで「Ene-1 SUZUKA Challenge」、
10月はモビリティリゾートもてぎで「Ene-1 MOTEGI GP」が開催されます。
競技の種類について
Ene-1には、3輪以上の車両を用いる「KV-40(ケーブイ・フォーティ)」(電気自動車)と
2輪車を用いる「KV-Moto(ケーブイ・モト)」(電動自転車)の2種類の競技があります。
クラス分けについて
大会には、高専生はもちろんのこと、中学生から一般の方まで幅広い人が参加することができます。
そのため、特徴の異なるカテゴリーとクラスが細かく設定されていて、
誰でも入選をねらうことができるように工夫されています。
カテゴリー | クラス | 車両規則 (最低車両重量制限) | 乗員重量 | |
KV-40 | KV-Moto | |||
Div1 | a 一般 b 大学・高専・専門学校 c 高校 d 中学 | なし | 53kg以上 | |
Div1+ | a 一般 | 35kg以上 | 15kg以上 | |
DivNEXT | b 大学・高専・専門学校 c 高校 d 中学 | b 55kg以上 c 53kg以上 d 47kg以上 |
競技方法について
競技方法は「タイムアタック」と「レース形式」の2種類があります。
「タイムアタック」とは決められたコースを走行して、周回タイムを競います。
予選で行われることが多いです。
一方、「レース形式」は、決められた時間を走行して、走行周回数(距離)を競います。
決勝で行われることが多いです。予選と決勝の合計ポイントで総合の順位が決まります。
大会とカテゴリー別の競技方法は以下の表のようになっています。
Ene-1 SUZUKA Challenge | Ene-1 MOTEGI GP | |
KV-40 | タイムアタック (1 周 × 3 回) | 予選:タイムアタック 決勝:レース形式 |
KV-Moto | ONE LAP タイムアタック 30min トライアル |
※ONE LAP タイムアタックは「タイムアタック」方式、30min トライアルは「レース形式」です。
Ene-1の特徴
Ene-1の大会で優勝を目指すには、エネルギーマネジメント力、ものづくりの力、チームワーク力の
3つの力が大切になってきます。
1.エネルギーマネジメント力
車両のエネルギー源は充電式単三電池40本と決められており、参加者全員が同じ条件のもと競い合います。
予選と決勝の競技の間で、電池に充電ができないため、電池容量の使用配分を考えることが大切です。
また、決勝で行われる「レース形式」は、決められた時間走行しなければいけないため、
ペース配分を考えてエネルギーマネジメントすることが必要になってきます。
2.ものづくりの力
競技に参加する車両は、一般に販売されている車両を改造してできるものではないため、
参加者が一から構想や設計、車両の製作まで行います。
また、車両構造や重量、ブレーキなどについては競技の規則に合わせて車両を設計する必要があります。
より空気や電気の抵抗が少ない、効率のよい車両をつくることが重要になります。
3.チームワーク力
大会にはチームでエントリーする必要があります。
チームはチームマネージャーが1名、ドライバー・ライダーが1~2名、
ピットクルー(車両の整備や点検を行う)が1~3名で構成されています。
チームメンバーが個々の立場から知識や力を出しあって、
チームで団結していい結果を残すことを目指すことが大切になります。
まとめ
Ene-1では電気自動車や電動自転車といった、次世代モビリティが使用して競技が行われます。
そのため、学生にとっては電気エネルギーの活用方法や電動モビリティの可能性を実際に体感することができ、
今後、持続可能な社会を目指した技術や発想が求められていく中で、貴重な経験になると思います。
また、中学生から社会人まで参加できるので、幅広い世代の人との交流の場にもなります。
YouTubeでは過去の大会の様子を配信しているので、興味のある方はぜひ見てみてください!