愛媛県内では人口減少に伴い、ものづくり企業の人材不足が深刻化しています。
この状況に立ち向かうため、愛媛県では、東予東部※の各市と高専、各商工団体とともに、
ものづくり企業の人材確保対策に向けた協議会を発足させました。
※新居浜市、西条市、四国中央市
若い技術者(高専生や卒業生)たちが県内のものづくり企業に興味を持ってもらえるよう、
さまざまな取り組みが行われています。
今回はその中で「ものづくり企業体験ツアー」と「出張講座」についてご紹介します。
- ものづくり企業1day体験ツアーとは?
- 新居浜コース
- 西条コース
- 四国中央コース
- 参加者からの声
- 学生側
- 企業側
- 出張講座
- 主な講義内容
- まとめ
ものづくり企業1day体験ツアーとは?
新居浜市・西条市・四国中央市の3コースに分かれて、
ものづくり企業を2社訪問して企業見学や就業体験を行います。
企業のリアルを体験できるツアーになっています。
このイベントは、高専生の春休みに合わせて、毎年3月頃に開催しています。
昨年(2025年3月)に行ったツアー内容をご紹介します。
新居浜コース
午前:㈱大石工作所
県内に数台しかない加工機や新工場の見学を行いました。
そのあと、若手社員との交流会や、当社独自の福利厚生や資格取得への支援などについて教えてもらいました。
午後:三王ハウジング㈱
CADを使って図面の見方を教えてもらった後、実際に家を建てる体験をしました。


西条コース
午前:㈱飯尾電機
会社説明や工場見学をした後、モータの巻き線体験をさせてもらいました。
最後には、当企業に勤める高専OBから就職活動へのアドバイスをもらいました。
午後:関西化工㈱四国支店
当社会長からの会社説明や工場見学をした後、社内で行われている「商品開発会議」に参加させてもらいました。


四国中央コース
午前:シンワ㈱
会社説明では不織布の製法の違いについて説明してもらいました。
その後、工場見学や高専出身の社員との交流会などをしました。
午後:福助工業㈱
会社説明の後、ポリ袋類の製造ラインを見学しました。
最後に高専出身者の社員との交流会を行いました。
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参加者からの声
学生側
・工場見学が面白く、自分の就活へのイメージが湧いた。
・普段は入れない場所に入ることができ、製造過程を近くでみることが出来て良かった。
企業側
・学生からの質問があり、話が一方的にならなかったのが良かった。
・今の学生の感性に触れることができた。
地元企業と高専生が繋がることで、就職への意欲が高まった体験ツアーとなりました。
出張講座とは?
各企業担当者が直接高専に出向き、ものづくり産業の魅力や、自社の特色などを伝える講座を開催しています。
企業側は学生に対してダイレクトに自社の魅力をアピールでき、
学生側は企業への理解を深められる機会となっています。
例年10月~12月までの期間に実施し、令和6年度の参加企業は延べ28社でした。
主な講義内容
- ものづくり産業で働くことの魅力
- 学生時代に勉強・研究したことがどのように役立つか
- 自社の特徴や魅力 等
この講座を通し、学生はものづくり産業や企業への理解を深めるだけではなく、
今後どういうことを学んでいけば良いかなど、就職へ向けた道筋が見えたようです。
今後は学生にとって、より働くことが具体的にイメージできる内容にしていく予定です。

まとめ
協議会の取り組みについて、二回にわたりお話してきましたがいかがでしたか?
高専生がいかに地元企業から必要とされているかが、伝わったのではないでしょうか。
東予東部にはものづくり産業が集中しており、エリアごとに異なる特色があります。
自分にはどういう企業が合いそうか、どんな産業があるのか、
気になった方はぜひ協議会の取り組みに参加してみてくださいね。