高専colorでは、ものづくり企業に就職しようと考えている方に向けて、
ものづくり関連の職種を紹介しています。
第三弾として家電や自動車、精密機械づくりに欠かせない職業である
「プレス工」について取り上げます。
- プレス工とは?
- プレス工の仕事内容
- プレス工を目指すには
- まとめ
プレス工とは?
プレス加工を専門に行う人のことをプレス工と呼びます。
プレス加工とは、プレス機に製品の原型となる金型をセットし、
そこに圧力を加えて成形させる加工方法のことです。
プレス加工は、生産性や精度が高いことや様々な材料を加工することができるため、
自動車部品のような大きい製品から精密機器の部品まで幅広く利用されています。
プレス工の仕事内容
プレス工の主な仕事内容はプレス加工です。
プレス加工の作業工程は大きく
「①準備工程」「②加工工程」「③仕上げ工程」の3つに分けられます。
ここからは、各工程の作業内容を説明していきます。
①準備工程
まず、使用する材料を選定し、必要な寸法や形状にカットします。
次に、加工する部品の形状に応じた金型をプレス機にセットし、
材料を金型の上に、正確に位置合わせします。
新規に部品を製作する場合は、試し打ちを行い、
検査基準を満たしているか測定器でチェックして加工精度を確かめます。
②加工工程
材料にプレス機で圧力をかけて、金型にあった形状に成形されます。
プレス機のスイッチを押すと上型が降りてきて加工されます。
プレス機には、主に機械式と液圧式の2種類があります。
プレス機の種類 | 圧力の掛け方 | 特徴 |
機械式 | モーターの回転運動を利用して、 上下に動かしてプレス加工 | 加工速度が速く生産性が高いため、 大量生産に多く使用されている |
液圧式 | 水圧や油圧を利用する | 加工速度は遅いが、 圧力や速度などの調整が容易なため、汎用性がある |
最近では、材料の投入や取出をロボットが行う自動化されたプレス機も登場しています。
③仕上げ工程
加工が完了した部品を金型から取り出し、目視検査や測定器具を使用して品質を確認した後、
プレス加工された部材の表面を仕上げます。
その後、塗装やめっき、熱処理などの仕上げ作業を行います。
研磨で金属の表面を仕上げることもあります。
(研磨には「研磨工」という職業があるので、気になる方は以下の記事もチェックしてください。)
■こちらもチェック
研磨工とは?
プレス工を目指すには
プレス工は未経験でも働ける場合があり、特別なスキルや資格を問われることは少ないです。
そのため、初心者にも働きやすい職場といわれています。
その一方で、他のものづくり関連の職業と比較して、資格が豊富にあることも特徴で、
プレス機械作業主任者」、「金属プレス加工技能士」、「工場板金技能士」
など様々な資格があります。
キャリアアップにもつながるので、ぜひ取得してみてください。
プレス工は、高い圧力や速度を伴う作業であるので、安全に作業することが大切です。
また、部品の微細な寸法や形状に関する高い精度も求められます。
そのため、プレス工は高い安全意識や注意力、正確性を求められるので、
慎重な方や丁寧に作業をされる方におすすめです。
まとめ
今回は、プレス工の仕事内容や目指す方法などについて解説してきました。
プレス工は、プレス機の操作方法や金型の取り扱い、
材料の特性などの技術や知識を高めることで、さまざまな加工や形状のものを製作することができます。
また、大型パーツから精密機器の部品まで加工することができるので、
今後も幅広い産業で使用されるといわれています。
プレス加工のような材料加工に興味のある方は、将来の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか?