第2回インタビュー
株式会社三好鉄工所
松島悠大さん

第2回のインタビューテーマは、「現在のお仕事について」聞いてみます。
新居浜市にある株式会社三好鉄工所 松島悠大さんにお話しを伺いました。

Q:1日のタイムスケジュールを教えて下さい。

4:00/6:30 起床
7:00 子供の保育園準備、朝ごはんの準備
7:30 出発
7:40 保育園到着
7:50 出社
8:00 業務開始
10:00 休憩
12:20 昼食(宅配弁当)
17:00 退社、保育園お迎え
20:30まで 入浴、夕食、家事
21:00/24:00 就寝

※とびっきりうまくいけばこんな感じ。

僕の1日は、4:00から6:30の間で始まります。
子供を寝かせる前に家事を済ませたときは、子供と一緒に21時前に寝るので4時に起きることができます。
その場合、朝の時間は贅沢な一人の時間です。
6時まで勉強したり、本を読んだり、トレーニングしたりと、
静かな朝を自分の成長に充てることができる貴重な時間になっています。

一方、家事や勉強が遅れたときは24時頃に寝て、6:30に起きるパターンになります。
規則正しい生活が理想ですが、子供のペースに合わせてフレキシブルに過ごすことで、
自分の平常心を保つようにしています。
子供は大人の都合で動いてくれるわけではないので、
スケジュールを決めすぎるとフラストレーションが溜まるのです。
柔軟性は心の平和のための工夫…と思ってはいますが、存在しないものが訪れることはありません。

いずれの時間に起きても、7:00までに子供の保育園の準備と朝食を整えます。
この時間帯が勝負です。
子供が起きる前に全てを片付けないと効率は一気に半減です。
GRITが試されます。

7:00にはプリンセスとリトルモンスターを起こしに行き、開戦ののろしを上げます。

弾幕を搔い潜り、7:30には家を出発。
戦線は渋滞の路上に移行し継続されます。
松島家特製小型ミサイル2発を保育園に打ち込んで、命からがら会社に逃げ込んだところで一時休戦。
愛媛県東部戦線は本日も膠着状態です。

自分は毎日働いていますが、子供たちも毎日保育園で全力を尽くしています。
大人だけが大変な顔をしているように見えますが、割を食っているのはいつも子供たちです。
僕は弱い人間なので、その事実を忘れてつい子供に甘えてしまうこともあります。
情けなさと反省をループする日々です。

8:00から仕事が始まると、少し肩の力が抜けます。
周りは大人ばかりで何も心配することはありません。

10:00には小休憩。時間が守られる環境にいると、なんだかほっとします。

12:20には昼食。決まった時間に食事ができる喜びと共にいただきます。

世の中にはお昼休憩という概念がない職種もたくさんあります。
僕は長らくそういう環境にいたこともあり、今は素敵なシエスタを満喫しています。

その後17:00には退社し、保育園へお迎えに行きます。

残業は極力避けています。
残業は[お迎えが遅くなる→子供の疲労が溜まる→免疫が低下→病気→欠勤]のトリガーで、
会社に迷惑がかかります。
日々の業務は効率よくこなして、残業のカードはいざという時だけにとっておくものです。

※実際は上司が気を使って仕事量を調整してくれています。

いつだって周りの方に助けられ、生かされています。
それはそれはとても有難いことです。

帰宅したら戦闘再開。夜戦は最低でも20:30までは続きます。
玄関のドアを開けた瞬間もうそこは最前線。
保育園の荷物の片付けから入浴、夕食作り、洗い物、洗濯、部屋の掃除と、
一連のタスクをタイムアタックのようにこなします。

こうして20:30に子供たちとベッドに寝転がれたら、親陣営の勝利です。
平日は息つく間もないあわただしい毎日を送っていますが、それもまた幸せの形だと思います。
家族4人、なんやかんやありながらも一緒に成長していく日々が、きっとかけがえのない日々なのです。
子供が大きくなったら、こんな日々でさえ懐かしく思う日が来るのでしょう。

Q:お昼ごはんはどうしていますか?

宅配のお弁当をいただいています。低価格でありながらバランスの良い内容で優秀です。
入社当初はお弁当を持参してましたが、材料費や労力を考えると勝負になりません。

今ではずっとこの宅配弁当にお世話になっています。誰かが毎日僕のために作ってくれている、
という事実に感謝です。

Q:現在の仕事で嬉しかったエピソードがあれば教えてください。

後輩が『松島さんと一緒の現場に行きたい』と言ってくれた時は、素直に嬉しかったですね。

僕の個人的な使命として、弱い立場の人が不当に虐げられないようにすることや、
職場の心理的安全性を守ることを大切にしています。

そうした意識や言動が少しでも伝わっていると感じた瞬間は、やはり報われた気がします。

言い方を変えれば偽善かもしれませんが、偽善上等です。
みんなが気持ちよく効率的に仕事ができることが、僕にとって何よりの喜びです。

Q:実際に働いてみて大変だったことを教えて下さい。

入社当初、文字資料が少なく、仕事の全体像を把握するのに苦労しました。

マニュアルや体系化された資料がなかったり、自力で見つけられなかったりして、
業務の勘所がなかなか掴めなかったんです。

とにかく目の前のことをこなしながら、想像を巡らせて上司に確認するという作業を繰り返していました。

1、2年経つとようやく全体が見えてきましたが、
今度はその知識を他の人に伝える段階で苦戦しています。

相手に伝わるように伝えることは非常に難しく、自分の勉強不足を痛感しています。
今でも試行錯誤の連続です。

Q:現在の仕事で大変だったエピソードがあれば教えてください。

また、生まれつき方向音痴で、プラントの中で迷子になることが何度もあります。

『○時にここに来て』と言われてもたどり着けなかったこともありますし、
現場で配管を追いながら作業に没頭していて、ふと顔を上げたら
自分がどこにいるのか分からなくなることもしばしばです。

物心ついてから四半世紀、毎日この課題と向き合っていますが、改善の兆しは一向にありません。

さすがにもう無理かなと、半ば諦めています。

これからはGPSとジャイロセンサーにすべてを委ねて生きていこうと思っています。

Q:皆様が働いている時期は新型コロナウイルスの影響もあるかと思います。
 こんなことはやっぱり影響を感じるなと思うことはありますか?

今ではコロナも下火になりましたが、当時は大きな仕事の打ち上げなどが全く開催されなかったのが印象的でした。

僕が入社したのは2021年初頭で、ちょうど流行がピークの時期だったため、歓迎会もしばらく開かれませんでした。
お酒は全く飲まないのですが、飲み会の席の雰囲気は好きなので、少し物足りない感じがしていました。

職場でもアクリル板でどこもかしこも遮断され、マスクをしていない人はすべからく糾弾されるような、
今考えると少し異常だったなと思います。

ただでさえ、人と人との距離感が遠く、壁が厚くなっていると感じていた中で、
コロナウイルスが追い打ちをかける形になりました。

僕はもともと人と接するのが得意な方ではないので、
そうした状況がコミュニケーションの面での苦労をさらに増幅させたと感じています。

Q:高専出身だから良かったこと、あるいは困ったことなどありましたか?

高専出身で良かったと直接的に感じるのは、地域の企業に先輩や後輩が多く、
現場で偶然再会したり、客先の担当者が知り合いだったりすることぐらいですかね。
アットホームで非常にやりやすいです。

困ったことはありません。高専は僕の人生において大事な時期に大事なことを教えてくれた偉大な存在です。

ただ、関係者以外にとってはただの建物です。
建物に困らせられることはありません。
困るとしたらそれは自身の行いのせいです。
だからこそ自分がどう行動するかでその意味は大きく変わると思います。

使いようによって豚箱にも宝箱にもなり得る、人生の賭場なのです。

※個人の体験に基づきます。
※結果には個人差があります。

僕の恩師が言っていました。

『花屋でも、ケーキ屋でも、美容師でも、デザイナーでも、何にでもなりなさい。
すべて”高専卒”という冠がついた特別な存在になるのだから』

と。自分が進みたい方向に曇りなき眼で突き進んでほしい、それがOBとしての願いです。

そのうえで、ものづくり企業に就職したいという方、

現場は常にあなたを求めていますよ。ひとくちに”ものづくり“と言っても、
その職種は多岐にわたります。

きっとあなたにぴったりの職種、そして職場がこの街には存在しています。

Q:休みの日はなにをしていますか?

最近の休みは、子供の習い事や公園へのお出かけ、溜まった家事、日常の買い物などがメインです。

正直なところ、最近の休みは『仕事のための休み』になっている気がしていて、少し辟易としています。

『”休み”は、”働く”ためのものじゃない』と思いながらも、
実際はそうなってしまっている自分に嫌気が差すこともあります。

我が家では奥さんが土日も仕事になることが多いので、なおさら家のことに追われがちです。

それでも、子供たちと一緒に
令和初期という時代を存分に謳歌できるような時間を過ごすことが目下の目標です。

限られた時間の中でも、子供たちの思い出になるようなひとときを作りたいと思っています。

Q:会社での上下関係や同僚の皆様とは普段どんなお話をされますか?

職場の上下関係は非常にフラットで、上司が部下に気を使いすぎているようにさえ感じるほどです。
暴言や叱責はなく、会話がスムーズに行える状態だと思います。

仕事とプライベートはあまり隔絶されておらず、
休憩中や飲み会の席でも仕事の話題が自然と出ることが多いですね。結構仕事好きな人が多い印象です。

親しい間柄や年が近い同僚、直属の先輩後輩同士だと、
愚痴を言い合ったり悩みを打ち明けたりすることもよくあります。

言いたいことを好きに言えて、溜め込まなくて済む環境ではあると思います。

Q:高専生同士との交流はありますか?

人口比1%以下の珍しい存在なので、高専卒同士の謎の連帯感は社会に存在してます。

自社他社問わず、初対面でもすぐに打ち解けられますね。
共通項は対人関係において非常に大きなメリットです。
 
プライベートではもともと友達が多い方ではないので、親しかった数名以外交流はありません。

ただ、知り合いはそれなりに多いので、現場でたまたま会うと世間話はします。

客先や同業他社に知り合いがいると、仕事がスムーズに進むので助かりますね。

Q:働いている会社の魅力はどんなところですか?

業界での立場や待遇が安定していることが魅力だと感じています。

サラリーマンとしての最大のメリットは安定と安心ですが、
それを十分に満たしてくれる会社だと思います。

また、時間さえうまく作れば自分のやりたいことを自由にできる環境が整っている点も良いところですね。

自分のモチベーションを自分で維持できる会社だと思います。

僕の職種に関して言えば、仕事の中で自分でコントロールできる部分が多い点が気に入っています。
自分のやり方次第で仕事が苦しくも楽にもなるので、その自由度が面白いところかなと思います。

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